中国政府は国内のイノベーションを「自主創新」と呼び、これによって米国との貿易戦争は一層緊迫化している。王さんのいうように、中国はハイテク製品の組立から創出への転換を急ぐ必要がある。世界最大規模かつ世界最速の成長を誇るハイテク製品市場を背景に、中関村は今やよりスピードのある、よりスマート化された新たなアプリケーションやサービス、機器を創出するようになった。
この10年で中国のハイテク企業への注入資金は大きく拡大。資金があれば、立ち上げたばかりの会社はオフィスの場所も決めやすく、北京の名門大学の理系新卒者を確保しやすい。
南方の都市、深センのIT巨頭、騰訊(テンセント)は2011年にチャットとモバイル決済を一体化した微信(ウィーチャット)のサービス提供を開始。今やフェイスブックが微信を模倣するまでになっている。世界的に人気の高い動画共有アプリTikTokは、北京字節跳動科技公司(バイトダンス)が開発した。SNSなどのシリコンバレーが世界制覇する分野での競争に中関村も参加できることを示している。