中関村では、古い電子製品街の狭苦しいビルから新しい会社が生れることが多い。会社が成長するに従い、北のほうの大きなビルにオフィスを移すのが一般的だ。騰訊(テンセント)や検索エンジン最大の百度(バイドゥ)、パソコンメーカー聯想(レノボ)、ポータルサイト大手の新浪(シナ)は、いずれも北京の北郊外に巨大なサイエンスパークを抱えている。
新会社は、中関村が北京の名門大学に近いという強みを活かせる。この辺り一帯には清華大学や北京大学のほか、名門小中学校もある。一方、中関村最大の弱点は部品や技術を輸入に頼っていることだ。中関村を地域的なハイテクの中心地から世界的なハイテクの中心地に成長させたり、中国を保護主義の影響から免れさせたりしたいのであれば、自前のサプライヤーを育てなければならない。
中国で起業したばかりの新会社は海外市場に眼を向けている。足元の貿易戦争を脅威と感じず、チャンスだと思っており、これを機に中国のサプライチェーンの穴を埋め、欧米市場に乗り込むつもりだ。中関村がシリコンバレーのように世界的な影響力を持つためには、中国の科学技術に対して欧米が抱く疑念を払拭する必要があるが、これまでのところ、世界的に事業展開しているハイテク企業はごく少数でしかない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月16日