「科創板」(科学技術イノベーション・ ボード)の第1陣となる企業の上場セレモニーが22日、上海証券取引所の交易ホールで行われた。米CNNは、新たに開設されたナスダック式の株式市場は、科学技術強国になろうとする中国の最新の試みであると伝えた。
投資家が意欲的
取引開始の合図が鳴らされると、第1陣・25社の株価が高騰した。25社の終値は平均140.95%高、平均価格は70.8元で、取引額は480億元以上。25社は集積回路、新材料、AI、バイオ医薬、EVバッテリー、高速鉄道サプライヤーなど各分野を網羅している。今後さらに100社が上場を予定している。
前海開源の楊徳竜チーフエコノミストは22日、環球時報の記者に「科創板の多くの銘柄が2倍に高騰し、最高で500%以上も高騰した銘柄もあった。初日の平均売買回転率は50−70%で、投資家が科創板への投資に意欲的であることを示している」と分析した。
「中国版ナスダック」
CNNは「中国版ナスダックは取引開始より続騰し、投資家が株価を押し上げた。テック業界のビリオネアが数人誕生した。中国は科創板により中国のハイテク企業が自国投資家の巨額の資金を利用し、かつアリババやテンセントなど世界トップ企業をニューヨークや香港から本土に引き戻そうとしている」と報じた。
米CNBCは22日「新たに設立された取引所は、中国政府の国内金融システム発展の全体的な努力と呼応している。同システムの国際的な影響力は現在、中国の経済全体のそれに遠く及ばない。中国の現代の株式市場は誕生から30年未満であるが、ニューヨーク証券取引所はすでに200年以上の歴史を有する」と伝えた。
経営コンサルティング会社であるオリバー・ワイマンの関係者はCNBCに対して、「我々は(中国で)貸付を基礎とする資金調達から、資本市場を基礎とする資金調達に転じるだろう」と述べ、科創板の意義を評価した。CNBCは、「一つの実験」である科創板は資本的にまだ小規模であり、かつ国内の投資家のみに焦点を絞っているが、科創板は「注目を集めている試行プロジェクトであり、その発展は中国の株式市場の未来を占うだろう」と伝えた。
ベンチャー企業をサポート
楊氏は、中国の科創板の設立には必然性があったと述べた。中国経済は過去十年で一定のモデルチェンジ・アップグレードを実現し、優秀な新興経済企業が台頭し世界レベルの企業になっている。これは中国経済のモデルチェンジの成果であるが、中国人投資家はその利益を手にしていない。A株市場の主要企業は依然として伝統的な業界の企業だ。科創板はこれらを背景としながら、経済発展の需要を満たすと同時に、投資家にベンチャー企業に投資するチャンスを提供する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月23日