夜間経済の発展を支援し、サービスの到達可能性を高めるため、天津市はショッピングセンターと大型百貨店の営業時間を延長し、セブンイレブンや全時などの企業の24時間営業のコンビニ設置を促した。上海市は条件を備えるバーストリートの規範に基づく「オープンスペース」設置を試験的に行い、タイムシェアリング制歩行者天国の建設を試みた。北京市は条件を備える博物館と美術館の開館時間の延長を奨励し、収容人数3000人以下の公演場所の営利目的の公演に一定の比率の低料金手当を支給した。
戴斌氏は観光業を例に挙げて以下のように述べた。2018年の中国の観光収入は6兆元に迫り、このような巨額の消費の大部分が昼間に発生している。夜6時から10時までの夜間消費は「黄金の4時間」であり、この時間帯の観光資源を十分に生かすことができれば、10%の伸び率で計算し、全国の観光収入は約6000億元の増加になる。
夜間経済を発展させるには、新たな姿勢が必要である。オープンしたばかりの天津市最初の室内夜市「老門口児」には自転車、青レンガ、赤瓦、提灯、旧式の郵便局、石炭ストーブなどがあり、人々の記憶の中の天津を室内に移し、時間と天候にかかわらず楽しめる。オープンから10日間の1日平均訪問者は約7万人、売上高は約230万元となった。
「老門口児」で営業している哏都青年漫才劇場の責任者の孫弢さんは、「このレトロな夜市で、漫才も現代の茶館から庶民に近い場所に戻り、消費者はワンストップ式で多くの娯楽を体験できる」と述べた。
25歳の天津市民の王芸潼さんは、「オープンしたばかりのいくつかの夜市ではコンサートや文芸公演などの各種イベントが頻繁に行われ、庶民の生活の質が向上した。デパートやスーパーも営業時間を延長し、市民にとって便利になった」と話した。
特筆すべきは、夜間経済の発展を推し進める中で、多くの地方政府は夜市管理者の設置を入念に取り決めている点である。北京市は市、区、街3つのクラスの夜間経済「照明管理者」を設置。上海市は「夜間区長」と「ナイトライフ首席執行官」制度を設置した。専門家は、夜間経済の発展は経済の命題であるだけでなく、管理の課題でもあると考える。
「老門口児」夜市がある天津市河東区の商務局の何雲翔副局長は、「老門口児がオープンしてから、関連部門は職責に合わせて毎晩スタッフを配置し、運営部門の水・電気の供給、ごみ処理、油煙と騒音・汚染対策などを監督指導し、消費者が清潔で安全な環境で夜市を楽しめるようにしている」と述べた。
天津市公安局治安管理総隊の董金平総隊長は、各区政府と積極的に連携し、夜市周辺の警備を強化し、人民警察の巡回の頻度を増やし、市民に安全な夜間経済環境を提供していると話した。
夜が深まり、成都寛窄巷子の壱丁珈琲館で、公益活動に熱心な経営者の丁志さんは自分が建てた交易図書館で読書をするのが習慣となっている。彼は、夜は都市の味わいを体験できる最高の時間で、夜間経済は都市の街文化、経営者の精神、消費者のニーズをつなぐ最高のプラットフォームだと話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年7月28日