第18回中国共産党全国代表大会(第18回党大会)の開催後、中国の一人当たり可処分所得は着実に伸び、中所得層の規模が持続的に拡大している。中国国家統計局の試算によると、中国の中所得層は4億人を超え、世界最大の規模となった。
中所得層は、ある地域のある時期における所得水準が、中等水準に収まる全ての人々の集合体となる。国家統計局の寧吉喆氏は、中国が抱える非常に大きな中所得層が「まさに、中国経済のモデル転換の基盤になる」との見解を示している。
「世界銀行の基準に照らして為替レートと購買力平価理論のどちらで試算しても、中国の中所得層は世界最大となる。国民経済の着実な成長と所得分配改革の持続的な推進に伴い、中所得層の規模は引き続き拡大するだろう。これは、中国経済の持続可能な発展にとって非常に重要な意義を持つ」。北京師範大学統計学院教授の李昕氏は、中所得層について、一般的に消費意欲が強い上に消費能力も高いと説明。この層が消費需要を拡大すれば、消費成長を牽引する大きな力となり、内需主導の経済成長への転換につながるとの見方を示した。反グローバル化が台頭するなか、国内消費市場の持続的な拡大は、中国経済の外部リスクショックに対する抑制能力を増強し、経済成長の靭性を高める見通しだ。
「中所得層の商品とサービスに対する消費需要は、これまで主に有形の商品だった需要が商品とサービスへと転換すれば、教育、旅行、医療などの市場に爆発的な成長をもたらす。一方、中所得層の商品とサービスに対する消費需要がオーダーメイド化、ハイエンド化へと移り変われば、供給側の構造調整と合理化・高度化を大きく加速する」と馮俏彬氏は話した。