14日の米国債券市場で、10年物の利回りが2007年以来初めて2年物を下回り、経済衰退の前兆となるシグナルが現れた。アナリストは相次いで、「貿易戦争がエスカレートし続ければ、米国経済の衰退が早まり、米国が引き起こした中米貿易摩擦は終に米国自身に跳ね返ることになる」と警告した。
米国政府は先般、中国への追加関税について一部品目への発動を遅らせると発表したが、投資家の間では「エスカレートし続ける関税措置により米国経済が払う代償が拡大し続け、最終的には米国経済は衰退局面に入る可能性がある」との懸念が根強い。
投資家の不安心理が高まっている兆しとして、このところリスク回避資金が米国国債市場に大量に流入していることが挙げられる。15日は、30年物の利回りが一時的に2%を下回った。14日は、10年物の利回りが2007年以来初めて2年物を下回った。前回この現象が現れたのは、2007年のサブプライム危機で、その後世界を巻き込んだ2008年の世界金融危機に変化した。債券市場の警告シグナルの影響で、14日のニューヨーク株式市場主要3指数と原油先物価格は大幅に下落した。