李国祥さん(29)の現在の最大の目標は、省都で自宅を購入することだ。彼は昆明市の自動車修理工場の技術者で、社会保険が完備している。若い夫婦はすでに都市部で根を下ろしている。
「新市民」の李さんは、雲南省尋甸回族イ族自治県金源村の出身だ。彼は中国の人口の70年に渡る大変動、世界最大規模かつ最速の都市化を反映している。
1949年の中国の人口は5億4000万人で、うち農村人口が89.36%を占めていた。2018年の全国の人口は14億人弱で、農村人口の割合は40.42%に低下した。これは70年で中国の農民が占める割合が半減したことを意味する。
多くの農村人口が故郷を離れている直接的な理由は、農業の生産力水準の向上にある。農村改革の掘り下げが続き、農業機械化水準が日増しに高まり、農業科学技術は日進月歩だ。今日の中国の農業は現代農業に転じており、より効率的な産出が大量の農村労働力を引き出している。
深い理由は、中国が貧しく立ち遅れた農業国から、世界2位の経済国に飛躍したことにある。中国の都市の数は70年で顕著に増加し、都市部人口及び経済規模が大幅に拡大した。都市部に集まる第二・三次産業は、国民経済の主な支柱になっている。
第18回党大会以降、戸籍、土地、財政、教育、雇用、医療保険、住宅などの一連の改革が掘り下げられ、農業からの移転人口の市民化が大幅に加速している。
同済大学経済・管理学院学術委員会主任、教授の程国強氏は「多くの農業労働力が非農業部門への就業を実現している。これは国民経済の持続的な急成長を促し、農業現代化水準と農民生活水準を高めた。都市部・農村部二元体制を徐々に打破し、中国社会の構造の深い変革をもたらしたことに、より戦略的な意義がある」と述べた。
李さんが自宅の購入を検討しているのは、両親を迎え共に生活するためだ。ところが父の李老明さんはまだためらっている。日進月歩の都市と同様、今や農村の生活も豊かで便利だ。両親は新しい住宅で暮らしており、村にも水道、道路、電気、インターネットがある。
李老明さんは「息子と共に暮らしたいが、村を離れるのも惜しい」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年9月4日