中国ではかつて、交通機関が非常に遅く、郵便物の配達にとても時間がかかった。今や、宅配便があらゆる所へ広がっている。新中国成立後の70年間で、中国の宅配便はゼロから世界一へと飛躍し、中国経済発展の奇跡となった。2018年は、1日当たり平均1億5千万件の宅配便小包が送られ、5人当たり1人が宅配便を利用した。2019年は、宅配便が社会消費財小売総額に占める割合が5分の1を超える見込みだ。
「家族からの手紙は万金の値打ち」、「伝えたいことが長すぎて書き切れない」という郵便は、遠く離れた人々が思いを交わす最も重要な手段だった。中華人民共和国と同じ年齢で、元上海市郵政管理局副局長の邵鐘林氏は、「新中国成立の当初、普通郵便を上海から北京へ送るのにだいたい3日か4日、新疆へは半月かかった。今では様変わりし、宅配便、デリバリー、バイク便などサービスが多様化し、速度も時間から分単位で計算される」と話す。
新中国成立後の70年間で、郵便配達員が届ける「あなた宛ての手紙」が、宅配員の「あなた宛ての宅配便」へと変わったことは、大衆生活の非常に大きな変化を映し出している。
1949年から1980年までに、郵政郵便物は約5.5倍増、小包引受件数は約25.8倍増となった。1980年代の初め、郵便物一通は0.08元(8分)で全国へ送られた。毎年春節や中秋の頃に郵便物はピークを迎え、人々は正月用品や月餅を送るために列に並んだ。