そこは5G信号がフルカバーされる高速鉄道駅だ。10GBの動画を4Gでダウンロードする場合は15分かかるが、5Gならば9秒のみだ。4K・8Kライブ配信、VR・ARゲームもここで実現する。5Gは将来的に、現在の乗車体験を完全に変える。
そこは10万平方メートルの太陽光発電屋根に覆われる駅だ。巨大な楕円形の屋根はエネルギー収集所で、太陽光を利用し絶えず発電・送電する。屋根は中央の幅15メートルの隙間で二分され、駅構内に「光の谷」を形成する。
中国鉄設建築院の陶然チーフエンジニアは「光の谷は京雄・京港台台場と津雄台場のホームを自然に分割し、さらに橋の下の待合ホールの採光問題を解消する。光の谷の下には屋外景観庭園を設計し、自然光とグリーンを尊ぶ理念を構内に取り込む」と話した。
幅120メートル、深さ300メートルの地上待合ホールは、打放しコンクリートの装飾を大胆に試みた。むき出しのコンクリート構造は自然光の中で独特な空間の美学を生み出し、駅内部に開放感を持たせる。人々は建築・構造一体の理念を直観的に感じることができる。
そこは全生命周期三次元デジタル档案を持つ建築だ。陶氏は「鉄道駅の建設は以前、国に二次元設計図を提出する必要があった。我々は雄安駅でBIM『付き添い型』設計を採用した。プロジェクト竣工後、全生命周期の三次元デジタル档案を提出する」と述べた。
中国鉄設京雄都市間プロジェクト四電専門責任者の任超氏は「これは建築全体のすべての詳細な点をトレースできることを意味する。例えばあるボルトが壊れれば、修理担当者はそれがどのメーカーで生産されたか、どのように打ち込まれたかを知り、正確にメンテナンスを行うことが可能だ。一部の重要設備と部分にはセンサーが設置されており、健康状況に基づき自ら警報を出すことができる」と説明した。
京雄都市間鉄道のスマートな遺伝子は「肉」だけではなく、「骨」にまで達している。BIMやGISなどの技術により、設計者は着工前にデジタルの鉄道完成図を作っており、そのすべての箇所が現実の鉄道と合致する。
設計者は調査測量段階にレーザーレーダー測量技術とリモートセンシング技術を大規模運用し、三次元協同などの技術を通じ作業効率を高め、技術者と現場の作業強度を弱めた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年10月20日