ブラックフライデーが好調、米国経済は安泰か?

ブラックフライデーが好調、米国経済は安泰か?。

タグ:ブラックフライデー 米国経済

発信時間:2019-12-02 14:09:56 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米国の消費者は今年、ブラックフライデーのセールに沸き返った。オフラインの実店舗の売上が予想を下回ったが、昨年の74億ドルという消費額に次ぐ規模となった。一部の市場アナリストは、短期的に米国経済の成長に期待できると判断した。彼らによると、米国の家庭は祝日期間に力強い購買力を見せているが、これは順調な米国経済が福利効果を引き出す大きなエネルギーを持ち、かつ米国経済の中長期成長に見落とすことのできない動力を提供することを示しているという。


 好調な経済データと株価は、市場の米国経済に対する楽観ムードを強めているようだ。米商務省が数日前に発表した改定値によると、2.9%という個人消費支出の伸び率により、米国の今年第3四半期の実質GDP成長率は年率換算で2.1%となり、速報値を0.2ポイント上回った。米国の雇用状況も過去最高と言え、ほぼすべての職種の人材募集が行われている。これは経済における旺盛な需要を示している。経済のバロメータとされる米国の株価も最近、過去最高を更新し続けている。大多数の投資家が124カ月に渡り景気拡大を続ける米国経済の将来性に期待しており、かつ企業の収益力がさらに拡大する可能性があり、米国経済は総じて好調と見ている。


 ただし人々の真実の経済発展に対する自信というものは常に、楽観と悲観が折り重なった産物だ。今年8月のアンケート調査によると、多くのエコノミストは国際貿易の不確実性により、米国経済の今後12カ月の成長に懸念を表した。この観点を持つエコノミストの割合は、10月になると81%に達した。ローレンス・サマーズ元米財務長官は、「米国経済はこの10年間で最大のリスクを迎えている」と警告した。国際通貨基金(IMF)も10月に発表した世界経済見通しで、2020年の米国経済の成長率(予想値)を引き下げた。記録的な活況を呈している米国の株価についても、一部のアナリストは1998年の金融危機との間にある程度の相似性があるとした。同じく投資家がテック関連銘柄に注目し、株価が過去最高まで高騰し、経済発展にカンフル剤を注入している。


 23兆ドルの債務規模、毎年1兆ドルの赤字予算を持つ米政府は現在も潤沢な資金を持つように見えるが、本質的には前借りで食いつなぐ状況となっている。ところが近年流行している現代金融理論(MMT)は、米国の経済発展モデルを強く弁護している。一国の政府の債務がすべて自国通貨で発行され、政府が通貨システムをコントロールしている場合、物価上昇率が緩やかであれば持続的な紙幣印刷により返済でき、何ら悪影響を生むことはないというのだ。これは本質的に、既得権益国に貢献する主流経済学と言える。


 債務推進型の成長モデルに別れを告げ、信用貸付拡張により経済の自信を維持する悪循環から徹底的に脱却する。かつ小型主体を広く刺激する革新的な取り組みにより技術の進歩を促進することで、真の内的経済成長を実現する。これは米国を含むすべての経済体が守るべき鉄則だ。(筆者・章玉貴 上海外国語大学国際金融貿易学院長)


「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年12月2日

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