ベインキャピタルは今週、豊かな中国人客が香港の混乱情勢を受け大陸部で消費を続けるなか、高級品ブランドがこの都市から撤退する可能性があると発表した。これは現在生じている、世界の高級品小売業の再編を浮き彫りにした。シンガポールのチャンネルニュースアジアが伝えた。
同業界に注目するベインキャピタルは、ジュエリー、高級ファッション用品、バッグなどのメーカーの売上成長が今年、香港の混乱情勢により予想値の最低水準まで落ち込むとした。世界の高級品ブランドの売上は今年2810億ユーロになるが、その一定為替レートに基づく成長率は4%と予想値の最低水準となる。昨年の6%を大きく下回る。
香港の混乱情勢による観光客の減少と小売店の閉店により、多くの企業の第3四半期の売上が重圧を受けている。これには「カルティエ」を傘下に持つスイスのリシュモン、ドイツのヒューゴボスが含まれる。ベインキャピタルによると、高級品ブランドはアジアのショッピングセンターである香港で約1000店を経営しているが、その一部は永久に閉鎖される可能性がある。「(香港)現地の利用客だけで1000店を支えることはできない」香港の高級品売上は2013年に100億ユーロというピークに達したが、2019年には60億ユーロまで落ち込む可能性が高い。
香港の混乱は一時的なものに過ぎないかもしれないが、中国本土の豊かな買い物客の習慣に関する構造的な変化が生じている。彼らの消費は長期的に香港の高級品業界を支えていた。中国経済の成長率が低下しても、大陸部の消費者は依然として高級品に大金を費やしているが、大陸部での消費に転じる傾向を強めている。人民元レートが相対的に低下し、彼らの海外での(消費の)「火力」を弱めている。また中国政府は大陸部の輸入関税と営業税を引き下げており、これにより香港、ロンドン、ニューヨークなどの消費目的地の価格競争の優位性が下がっている。
中国人客は(高級品)業界の売上の35%を占めており、同市場の成長に対する寄与度は今年90%にのぼる。ベインキャピタルの関係者は、「我々は目下、中国に関する真の経済リスクを一つも目にしていない」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年12月2日