「植物肉」の話題が冷めやらぬ中、「細胞培養肉」が登場した。中国初の「細胞培養肉」がこのほど南京農業大学で誕生したが、世界では約30社がこの分野の研究開発を進め、米国の「細胞培養エビ」は2年以内に発売される見通し。
業界内では、「細胞培養肉」の1キロあたりコストが10ドルまで低下すれば発売の条件を満たすが、技術課題をクリアする必要があると見られている。しかし、市場の見通しは良好で、世界の4社の「細胞培養肉」会社が中国植物性食品産業連盟に加盟し、中国市場に進出する準備を進めている。
中国初の「培養肉」が登場
南京農業大学は11月18日、中国初の「筋肉幹細胞培養肉」を研究開発したと発表した。同校食品科技学院の周光宏教授率いるチームは第6世代のブタの筋肉幹細胞を約20日間培養し、5グラムの「培養肉」を得た。
また今年9月、中国香港のAvant Meats社は「培養魚腹身」を研究開発した。同社の共同創始者の陳解頤氏は記者に対し、この「培養魚腹身」はキグチの腹身の細胞を約3週間培養し、50グラム「培養肉」を得たと明かした。「我々と南京農業大学が使用した技術は同じで、世界で行われている培養方法もだいたい同じだと思う」と陳解頤氏は述べた。
公開資料によると、世界初の「細胞培養肉」は2013年に誕生。オランダのマーストリヒト大学生理学者のポスター博士が2年、費用28万ドルをかけて開発した。大まかな統計によると、中国、米国、イスラエル、オランダ、シンガポール、日本などの国と地域が「細胞培養肉」の研究開発に取り組み、牛肉、豚肉、海鮮の分野に集中している。
中国植物性食品産業連盟の薛岩秘書長によると、世界で約30社が「細胞培養肉」の研究開発を進め、中国は同分野で成果を上げたのが比較的遅い。2年前後で米国の「細胞培養エビ」が量産と流通を実現する見通し。また、海鮮細胞培養肉が先に市場に入るのは、牛肉や豚肉と比べて監督管理の承認を取得しやすいためだという。
コスト低下が研究開発の難関