「そのようななか、中国の銀行間債券市場に参入する海外機関の数と契約高は絶え間なく記録を塗り替えている」。東方金誠研究発展部の叢暁莉アナリストは、「2019年下半期に打ち出された海外機関投資家の利便性を一段と高める措置および適格海外機関投資家(QFII)と人民元適格海外機関投資家(RQFII)の投資枠撤廃などの改革は、中国債券市場の海外投資家に向けた全面的開放を示すにとどまらず、人民元資本項目の健全な発展を後押しするものでもある」との見方を示した。
このほか、金利差も中国債券市場に外資を引き付けている重要な要因だ。近年、世界の主な経済国が相次いで利下げを行うなか、海外機関投資家にとって中国債券の魅力は大幅に高まっている。UBSウェルス・マネジメントアジア太平洋投資総監兼中国チーフエコノミストの胡一帆氏は、「人民元建て債券は米ドル建て債券に比べて、依然として利回りが高い」と指摘。中国のソブリン債を欧州のソブリン債と比較してみると、ドイツの10年債・30年債の発行利回りがすでにマイナスになっているのと比べて、人民元建て債券10年物の利回りは3.2%前後で推移している。また、米ドル建て債券の利回りは2%を下回るという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月17日