米ウォール・ストリート・ジャーナルは12日、貿易紛争が米国の基幹産業に与えた影響を精査し、米国の農家は深刻な打撃を受けたと指摘した。自動車部品や家具、機械の輸入業者も懲罰的関税の報いを受けたと報じた。記事の要点は次の通り。
■農業
米国で最も大きな打撃を受けたのは農家だ。中国が大豆など米国の主な輸出品の買付を基本的に停止したためだ。2019年4月までの12カ月間で、米国から中国への農産物の年間輸出額は約250億米ドルから70億米ドルに急減した。
米国政府から農家への支援額は280億米ドルに上り、ある程度の損失は補てんした。米国農務省の試算では、2019年の援助資金は米国農業収入の3分の1を占める見通しだ。
農家はまた、これまで努力して中国と築いてきた貿易上の関係は永遠に回復できない可能性があると懸念している。
■投資
対米投資は大幅に減少した。外国直接投資は2018年初頭にほぼ停止、2019年はさらに落ち込んだ。
2019年第2-3四半期、海外からの対米投資総額は減少した。新工場の建設やそれに関わる設備投資などが含まれるという。
国境を越えた投資会社を代表する米国際投資機構(OFII)のナンシー・マクレナン会長は、「国際的企業は米国への投資に一段と懐疑的になっている」とし、「これは国際的企業が米国の製造業に従事する労働者の20%を雇用し、米国の輸出製品の25%を生産していることを考慮すると、悪い知らせだ」と語った。