冬に入ってから、中国各地で氷雪をテーマにした観光の人気が高まり、様々な旅行商品が売り出されている。
まずは北からみると、東北部は昔から氷雪の観光地として有名だが、その人気は衰え知らずだ。北京や河北省一体では、再来年に控える冬季オリンピックにちなんだ氷雪観光をテーマにしたものが多い。内蒙古(内モンゴル)自治区では、全国第14回冬季運動会を機に新しい氷雪観光が人気を集めている。新疆ウイグル自治区では、氷雪に民族色を加味して、ロマンチックな氷雪の世界を作り出している。
次に南をみると、湖北省の秘境「神農架(しんのうか)」や、四川省の成都、貴州省の「六盤水(ろくばんすい)」、浙江省の臨安などの地域色あふれる氷雪のリゾート観光地が注目されている。大型商業施設や屋外スキー場を建設するなどして近隣から観光客を呼び込み、氷雪の世界を楽しめるようにしている。
中国旅遊研究院がこのほど『中国氷雪観光の発展に関する報告書(2020)』を発表した。それによると、2018~2019年の冬季期間に、中国国内で氷雪観光を楽しんだ旅行者数は延べ2億2400万人に達し、観光収入は約3860億元と前年同期比でそれぞれ13.7%増と17.1%増となった。
氷雪観光の人気が急速に高まったのには、国の政策が大きく関わっている。中国共産党中央委員会弁公庁と国務院弁公庁が昨年3月、『2022年の北京冬季オリンピックを機にウィンタースポーツの振興を強化することに関する意見』を通達。この中で、ウィンタースポーツ産業の振興を促進し、氷雪観光産業と関連産業の深い融合を図る方針や、複合型の氷雪観光拠点とウィンタースポーツセンターを建設する方針が示された。