中国では輸入生鮮品や貧困支援産物が全国各地の春節の食卓に並び、春節旅行や文化・観光融合によって様々な場所で新年の雰囲気を味わうことが可能となった。春節用品購入の選択肢はますます増えており、その背景には消費構造の高度化や積極的な輸入の拡大、物流インフラの改善、観光商品の多様化などがある。春節用品に関するビッグデータを通じて、中国の消費市場高度化のトレンドを探った。
輸入春節用品が一般世帯の食卓を豊かに
京東大数据によると、春節用品セール期間中、四川、遼寧、湖北、河北、河南の輸入商品消費額は前年同期に比べ30%を超える増加となった。O2O(オンライン・ツー・オフライン)方式の輸入商品消費は前年比2.3倍増となり、うち乳児用の粉ミルク、離乳食、トイレタリー製品などの販売額は前年同期比で3倍以上増えている。
「京東」では、輸入果物の消費額が2019年12月の同時期に比べ2.2倍増となり、輸入果物の中でもバナナ、チリ産チェリー、リュウガンの販売量が最も多い。三線以下の地方都市では消費額が前年同期比で5.5倍増え、うち輸入商品の消費が9.8倍増となった。果物、牛乳、キャンディ、チョコレートが三・四線都市で人気の高い輸入商品となっている。
春節消費では、輸入生鮮品を含む食品の消費が依然として中心となっている。「拼多多」では、春節用品セールの初日に中華老舗号(政府公認老舗ブランド)の「東来純」が提供する羊肉ギフトパックに注文が殺到し、ベトナム産マンゴーなどの輸入果物も人気を集めた。
貧困支援産物が農民に増収をもたらす
「天猫」は今年の春節用品セールで「地方特色産物」専門コーナーを開設し、全国の農民による農産物3億斤の販売を後押しし、農民1人当たりの年内収入をさらに1000元増やす計画を打ち出した。データによると、2019年は貧困県の農産物販売者8万社が「淘宝天猫」で開店し、1店当たりの年間収入が8万2000元を超えた。5600万人余りの消費者が農民支援事業に参与し、貧困県に住む農民の増収と蓄財を支えている。
京東のまとめによると、北京、上海、広州、江蘇、山東の消費者による各地「産物」の購入額は前年同期に比べ30%以上の増加となった。うち陕西産キウイが春節用品セール期間に最も売れた商品となり、販売量は約250%増加した。山東の煙台産紅富士リンゴギフトパックの販売量は482%増だった。