2018年時点で1人当たりGDPが1万米ドルを超えていた国の総人口は約15億人だったが、中国がこのラインを突破したことで、その総人口は一気に30億人近くまで増えた。「これは、発展途上の新興経済国としての中国による世界貢献だ」。国家統計局局長の寧吉喆氏はこのような見解を示す。
劉氏は、グローバルガバナンスにおける大国としての作用をどのように発揮していくかが、中国のこれからの課題になると説明。「われわれは歴史的にも偉大な成果を上げたことを喜び、誇りに思う。一方で、さらに多くの試練を迎える可能性があり、多くの責任を担うことにもなる」としている。
1人当たりGDPが1万米ドルを超えたことは、歴史的に象徴的な意義を持ち、新たなスタートラインにもなる。劉氏は、過去に経済成長を追求した時は物質と財産の豊かさを求めていたが、成長と発展は異なり、貧富の差を縮めるものでもなかったと説明。現在は、スタートラインに立つチャンスを公平にすることを目指しており、そのために最も重要なのが都市間、集団間、地域間などにある能力の格差を縮小することとの見方を示した。
では、教育や健康といった人的資本の蓄積でこうした格差をどのように縮小するのか?これについて劉氏は、基本公共サービスの均等化を通じて人的資本の蓄積を促進するために、長期にわたる持続的な努力をしなければならないと答えた。人を重視して都市や地域などの能力格差を縮小すれば、1人当たりGDPが1万米ドルという節目を突破した後も、スムーズに試練に対応することができるとみている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年2月16日