「民生が安定すれば、人の心と社会も安定する」。全国は感染症抑制と経済安定に力を注ぐと同時に、防疫のサポート部門も全面的に力を発揮し、日用品の確保と質・価格の維持に努めている。「一老一小(高齢者と就学前児童)」問題の解決、給与と社会保障の「財布」管理、一連の強力な措置の集中的実施など、民生保障をより強化している。
「買い物かご」で民生保障。生活用品、特に食材の生産と供給の保障について、各部門が声を上げている。
農業農村部市場・情報化司の唐珂司長は10日に開かれた国務院予防抑制メカニズム記者会見で、「農産品市場は市民の食材確保、収入増加につながり、民生と密接に関わっている。各地各部門は主食品供給の省長責任制と買い物かご市長責任制を真剣に実行し、備蓄調整、加工奨励金、信用貸付の利子補助などの措置を積極的に講じる必要がある」と述べた。
商務部市場運行司の王斌副司長によると、市場供給を保障するため、春節以降、中央備蓄の冷凍豚肉5万5000トンを放出し、3月5日に第5弾として中央備蓄の肉2万トンを放出した。今後も状況を見て放出するという。
供給保障だけでなく、価格と質の維持も重要となる。市場監督管理総局は9日、企業に提案書を出し、人民の生活必需品と防疫物資の生産と供給を強化し、出荷価格を感染症発生前とほぼ同じにするよう求めた。そのほか、市場監督管理総局が「価格維持、質維持、供給維持」シリーズ行動を開始して以降、7000社以上が実施を承諾した。食品・飲食、小売・物流、EC、医薬品・医療機器、家電、インテリア、建築材料など各業種に及び、庶民の衣食住・交通のあらゆる面をカバーしている。
衣食住・交通以外に、「一老一小」問題の解決にも力を入れる必要がある。先日開かれた中央の感染症対策指導グループの会議は、高齢者や児童などの重点グループの感染症予防措置の具体化を強調した。
最新データによると、中国では高齢者200万人以上が約4万軒の老人ホームで生活しており、高齢者の防疫、介護サービスの「箱船」を支援することは特に重要である。民生部養老サービス司の兪建良司長は9日の国務院予防抑制メカニズム記者会見で、介護スタッフの迅速な職場復帰、多ルートでの人材募集、老人ホームの介護スタッフ不足問題の解決を推し進める必要があると述べた。多くの地域が介護を要する低保障・低所得などの高齢者に対し、訪問介護サービスを行なっている。
全国各地で業務再開が進んでいるが、大学、小中学校、幼稚園などの始業時期は原則上延期された。うち、託児問題について、商務部は家政サービス行の業務再開の加速を積極的に支援すると示した。地方は共働き家庭のどちらか一方が自宅で育児をすることを奨励する新政策を打ち出している。