新型コロナウイルスに急きょ見舞われ、中国の外食業は未曾有の「厳冬」に陥っている。店が多く広く展開していることから「国民食」と呼ばれる「沙県小吃」も、全国的な営業停止を迎えている。数万人の従業員が自宅で足止めをくらい、営業再開が困難になっている。沙県は積極的に自力救済を展開し、オーナーに費用減免や金融サポートなどを提供し、危機の中にチャンスを見出そうと取り組んでいる。
沙県県委書記の楊興忠氏は、今回の感染状況を受け、オンラインフードデリバリー事業が現在、及び今後長期の沙県小吃販売の主要ルートになると判断した。楊氏は3月上旬、個人名義で美団網の経営層に手紙を書き、全国の沙県小吃のオーナーにオンライン販売のさらなるサポートを提供するよう求めた。
また沙県はオーナーの難関突破を支援する10の措置を発表した。うち最大の措置は金融サポートで、沙県農村商業銀行から3億元の与信枠を提供する。月利は3.75‰に引き下げる。
全国の店舗に食材を提供する沙県小吃産業園で、操業再開のペースが上がっている。新沙一品実業有限公司の工場内では、作業員20人以上が生産ラインに立ち忙しく働いていた。沙県の特色ある蒸し餃子が自動化ラインを流れ、冷凍庫に入り保存された。同社の責任者である郎志銘氏によると、同社は2月20日に操業再開した。3月17日現在で毎日6トンの蒸し餃子を生産でき、設計上の生産能力の6割前後に達している。
郎氏は「市場を拡大するため、自宅持ち帰り客向けのスーパーを開いた。受注は現在緩やかに拡大しており、オフラインの実店舗が徐々に活力を取り戻していることが分かる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月4日