「現金が3カ月持たない」と称していた西貝餐飲は盒馬鮮生と従業員をシェアすると同時に、フードデリバリー事業の拡大に取り組んでいる。重慶ブランド「郷村基」は支付宝小程序(ミニプログラム)でフードデリバリー事業を20%成長させた。眉州東坡は淘宝直播で腸詰めと燻製肉の販売を開始した。感染対策期間中、中国のサービス業はデジタル技術を利用し新業態・新モデルを構築している。
オンライン食品市場、1週間で80都市をカバー
急な感染症は産業川下の外食業の経営に大きな衝撃をもたらした。さらに川上の美菜にも直ちに影響が生じた。
その一方で、自宅で感染対策を行う住民は食品不足にあえいでいる。食品市場が閉鎖され、ネット通販も供給不足で売り切れの場合が多い。
感染症により需給のミスマッチが拡大した。オフラインデジタル経済の重要な入口である、支付宝などのモバイル決済のプラットフォーム及び技術面の優位性は、この難題を解消する鍵になった。
美菜が1月末に方針を調整し消費者市場を開拓する際に、真っ先に思い浮かべた提携先とは、12億人という大量のユーザーを持つ支付宝だ。感染症の流行後、支付宝は防疫サービス専門エリアを緊急リリースし、情報、ショッピング、医療などのユーザーが必要な保障サービスを一体化した。需給を最大限にマッチさせた。
支付宝が2月9日に小程序をリリースすると、美菜は速やかに全国で局面を打開した。リリース2日目で全国の約30都市をカバーし、速やかに80都市に拡大した。リリース初週で新規ユーザーを約80万人集め、再利用率が40%にのぼった。