中国農業科学院(農科院)はこのほど、21年間にわたる重点科学基礎研究プロジェクトを終え、中国全域を網羅する高精度な「デジタル土壌」を完成させた。これを使えば土壌と環境の質的な変化をシミュレーションすることができ、農業、自然資源、環境保護などの担当部門による区分、分類された正確な土壌管理の施策に役立つ。
「デジタル土壌」とは、地理情報システム、地球ナビケーションシステム、リモートセンサー技術などを使って、土壌の類型や養分といった性状の空間分布に関する特性をシミュレートおよび再現することを指す。
同研究の成果は、60件あまりの科学研究機関によって耕地の質的変化、環境容量の推計、温室効果ガスの排出削減などの科学研究に活かされているほか、各地の農業、環境、自然資源管理部門によって耕地保護と地力向上、非特定汚染源防止・解消、土地修復、測土処方施肥、基本農田建設などに用いられている。
「今後は一層多くのより良い土壌ビッグデータ技術と関連製品が農業と環境の関連産業に参入するだろう」。張維理氏は「例えば、高精度な『デジタル土壌』を耕地機械や施肥機械、灌漑機械のICチップに搭載すれば、正確な施肥、耕作、灌漑が可能となる。土壌の時空に関するビッグデータを利用すれば、重点農区と流域の区分、分類、量的管理が実現し、農業用化学品の投入量を減らすと同時に生産量を増やすことができる」と説明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月7日