国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は現地時間9日、新型コロナウイルス感染症流行の影響で、2020年の世界経済はマイナス成長に急落し、1930年代の世界恐慌以来の大不況に陥ると述べた。
ゲオルギエバ氏は同日、ビデオ方式でIMFと世界銀行の遠隔春季会合の開幕演説を行なった。彼女は、新型コロナウイルス感染症は「明らかに異なる危機」であり、「稲妻のような速度とかつてない規模で社会と経済の秩序を乱している」と述べた。わずか3カ月前、IMFは2020年は加盟国のうち160カ国以上が平均所得のプラス成長を実現すると予想したが、現在は170カ国以上で平均所得がマイナス成長になると予想している。
ゲオルギエバ氏は、今回の危機に国境は関係なく、先進国も発展途上国も暗い経済見通しに直面すると話した。各国が感染症対策としてとった措置は世界経済に深刻なダメージを与え、特に小売、飲食・宿泊、交通輸送、観光業への影響が大きい。また、公共衛生危機が脆弱なグループに最もダメージを与えると同じように、経済危機も脆弱な国に最もダメージを与える。アフリカ、ラテンアメリカ、アフリカの多くの地区の新興市場と低所得国はハイリスクに直面する。