中国国家統計局は4月17日、2020年第1四半期国民経済計算を発表した。速報ベースで、第1四半期の中国のGDPは前年同期比6.8%減(不変価格換算)となった。
今年第1四半期の中国の経済成長率がマイナスとなったのは、新型コロナウイルス感染流行の影響が大きい。しかし、注目すべきは、第1四半期のGDPが前年同期に比べ減少したものの、3月は主要経済指標の低下率が大幅に縮小したことだ。例えば、3月の鉱工業生産(一定規模以上企業)は前年同期比1.1%低下と、低下率が1-2月に比べ12.4ポイント縮小した。全国サービス業生産指数の低下率は9.1%に1-2月比で3.9ポイント縮小し、社会消費財小売総額は15.8%減の2兆6450億元と、減少率が1-2月に比べ4.7ポイント縮小した。
中南財経政法大学デジタル経済研究所執行院長の盘和林氏は、3月の鉱工業生産など複数の指標で低下率が1-2月に比べ大幅に縮小したことについて、感染症流行のショックと影響があるなか、中国の経済・社会発展の大局的な安定が保たれ、営業と生産の再開が加速したことで、国民経済が大きく回復したことを示していると説明した。
交通銀行金融研究センター首席研究員の唐建偉氏は、3月に入って中国の効果的な感染症抑制に伴い、営業と生産の再開が拡大し、防疫対策が常態化しながら経済運行が正常化へと向かったとの見解を示した。「今後も営業と生産の再開と内需拡大策の実施に伴い、全体的な需要回復が続くだろう。第2四半期も生産、消費、投資が持続的に加速し、景気が好転する見込みで、通年の経済成長率は前半が低く、後半に高まっていくと考えている」と述べた。