■農民と市場の距離を縮めるネット通販
新たなネット通販の起業と右肩下がりの市場の台頭は切っても切れない関係にある。2020年の「政府活動報告」では、「ネット通販支援と農村への宅配業進出が農村の消費を拡大する」との指摘があった。
宅配業の農村進出はネット通販商品の消費を促進するだけでなく、農村部の農産品をネット通販で販売するなど雇用の解決にもつながるとの分析もある。栄民控股集団の史貴禄董事長は「双方向の物流体制づくりによって農村部が豊かになる重要な糸口を見いだせる」と言及する。
しかも農村のネット通販とライブコマースは相性がよく、ライブコマースを通じて消費者は生産者を知ることができる。例えば今年の「618」には京東傘下の「京喜」で生産地のライブ中継が行われる。
ネットショップオーナーの梁倩娟さん(甘粛省隴南市徽県水陽鎮石灘村在住)は「携帯電話は新しい農具、ライブ動画は新しい農作業」と比喩する。梁さんは近隣農家のために農産品をライブコマースで売る手伝いをしている。
隴南市には梁さんのようなライブコマースの達人がたくさんいる。
いまや隴南市のネットショップは1万4000を上回り、22万人の雇用を生み出している。
商務部の王炳南副部長は今月12日、「ネット通販が農民と市場の距離を縮め、様々な農産品をより多く、より遠くまで届け、農村の起業・雇用を促している。農村のネット通販によって多くの出稼ぎ労働者や大学生、退役軍人がUターン起業を希望するようになった。昨年末の時点で、全国の農村のネットショップは1384万に達した」と説明する。
商務部の統計によると、2014年に1800億元だった農村のネット小売額は2019年には8.4倍の1兆7000万元に拡大した。2019年の全国の農産品のネット小売額は前年比27%増の3975億元に達し、貧困農民300万人以上の増収につながった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月30日