不意に襲って来た新型コロナウイルス禍。一刻一秒を争うこの病魔との闘いに、中国国有企業は困難をものともせず全力を尽くして闘い、操業・生産再開を果たした。こうした中で示された国有企業のスピードと効率は、人々の胸に深く刻み付けられた。
新型コロナとの闘いで最前線となった湖北省武漢市では、患者を受け入れるための病院建設が連日連夜行われた。国有建設大手が突貫工事を敢行し、電力やエネルギー、通信分野の国有企業も全面的に支援したことで、「火神山医院」も「雷神山医院」もわずか10日間ほどの短い工期で完成した。その速さは「10秒で窓1枚、2分で壁1枚を取り付ける」といわれたほどだ。国有企業による突貫工事で、全国で100を超える専門病院や仮設病院が完成した。
生産ラインはまさに命綱だった。多くの国有企業がゼロからのスタートで対価を求めることもなく、生産ラインを転用して医療物資の生産に乗り出し、マスクや防護服、マスクの材料となるメルトブロー不織布を急ピッチで増産した。エネルギーや穀類・食用油、医薬品などの分野に携わる中央企業(中央政府直属の国有企業)の多くが、医療物資や生活必需品の価格上昇や品質低下を抑え、供給停止を回避すると誓ったことで、新型コロナと闘う人々の気力を奮い立たせた。
このスピードと効率は、国有企業の極めて高い総合力に依るところが大きく、今回の感染拡大は、近年の国有企業の改革と発展がどれだけ効果があったかを測る「実力試験」となった。「十八大」(中国共産党第18回全国代表大会)以来、国有企業は改革の中で発展を続け、発展の中で力を付けてきた。内なる活力が表れ、発展の質が向上を続けている。世界を驚嘆させた「火雷スピード(火雷医院の突貫工事の速さ)」にしても、生産ラインの迅速な切り替えによる医療物資の生産にしても、国有企業の技術力の高さや人員を動員できる組織力の高さを表したものだといえよう。