中国税関総署の統計によると、2020年5月の中国石油輸入量は4797万トンに急増し、前月比で15%以上増加した。このニュースには米メディアから高い関心が寄せられ、「中国の原油輸入量は前月比で急増し過去最高を更新、石油需要は力強い回復を見せた」と報じられた。
ブルームバーグは8日、「この数字は、世界最大の石油輸入国の需要が鮮明に回復した一方で、他国は依然として経済封鎖がもたらす影響への対処に苦慮していることを示す」と報じた。
海運統計がこの急増を予見していた。統計によると、石油タンカーの入港数が新型コロナ感染症発生前の水準に戻ったのは、原油価格が1バレル20ドル(1ドル=約7.1元)に下落した期間中に購入した原油を積んだタンカーが入港し始めたためだという。6月初め、中国東部の沿海部では少なくとも20隻以上のタンカーが荷揚げを待っていたようだ。
同紙は「燃料需要は基本的にコロナ前の水準に回復した」とし、「消費者が自家用車のほうが公共交通機関を利用するより安全だと考え、ガソリンと軽油の需要が回復したためだ」と指摘。オランダのカーナビ会社トムトム(TomTom)のデータでは、中国の多くの都市で過去数週間、ピーク時の交通量が急増しており、前年並みかそれを上回る水準だという。
また、消費の伸びが製油所の稼働を促しており、5月初旬から山東省のある製油所は記録的なスピードでフル稼働しているもよう。英オックスフォード・エネルギー研究所の中国担当責任者であるマイケル・メイダン氏は、原油購入量急増の多くがこのような製油所によるものだとしている。
このほか、多くの企業が再稼動し学校が再開するなか、政府の数十億米ドルの経済刺激措置を受け、エネルギー需要は回復中だ。中国のサービス業活動指標によると、5月の指数はここ10年で最高となり、経済回復に勢いがあることを示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月10日