香港の「サウスチャイナモーニングポスト」(南華早報)によると、中国では新型コロナウイルスの影響で公共の交通機関が敬遠され、自転車の需要が急増している。消費が落ち込み苦境に陥っている他の商品とはあべこべに、自転車は逆に生産が追い付かない状態となっている。
中国工業情報部によると、4月の自転車生産台数は前年比27.5%増、また5月は同44.6%増の425万台であった。1月~5月の生産台数合計は1.8%減にとどまり、この2か月間でコロナによるダメージをほぼ挽回したことになる。
大手自転車メーカーのトップである葛雷氏は「米国からの注文が予想以上だった」と述べた。このメーカーは現在、月に約30万台を生産し、主に米国に輸出されているが、需要を満たしきれていないという。
米国の大手自転車輸入業者であるケント・インターナショナルの最高経営責任者カムラー氏によると、需要が急増し始めた3月の2週目以降、売上高は一時期前年比30%増まで達したという。カムラー氏は「公共の交通機関が嫌がられ、学校も休校して子供たちは家で手持ちぶさた。在宅勤務者にとって自転車が何より楽しい。それに自転車はソーシャルディスタンスを保てるので需要はうなぎのぼりだ」と話した。
自転車の大部分を中国本土や台湾からの輸入に頼っている米国であるが、コロナの影響で供給や物流網が寸断され、各航空会社とも減便策を講じているので、どの輸入業者も在庫が少なめとなっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年7月7日