産業チェーンを改善し、アンチ・グローバル化に対応

産業チェーンを改善し、アンチ・グローバル化に対応。

タグ: 産業チェーン グローバル化

発信時間:2020-07-11 09:30:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 ポスト新型コロナ時代、世界の産業チェーン・バリューチェーンに三つの重大な変化が起こると考えられ、注意が必要だ。

 
 まず、アンチ・グローバル化の波が再び押し寄せる可能性がある。これまでの世論に、グローバル化は東側と西側の格差・南北の格差・各階層の格差を拡大させ、先進国の産業空洞化及び中等所得者・低所得者の落ちこぼれを招いたとするものがある。感染症流行中に一部の国が景気後退や回復困難に苦しめられているなか、こうしたグローバル化批判の世論はさらに刺激され、利益喪失感は以前よりも強烈なものになると考えられる。

 次に保護貿易主義が多くの国で台頭する可能性がある。グローバル化により形成された大市場の構図が感染症により破片化し、世界貿易自由化・便利化から両国間・1国関税区に後退するというのはその表れである。これはグローバル化に対する行き過ぎた反省であり、グローバル化がすでに世界に浸透したことを理解していない。

 そして、世界のサプライチェーン・バリューチェーンの格差も大きくなる。米国・カナダ、EU、東アジアが3本柱となって世界のサプライチェーン・バリューチェーンを支えてきたが、ポスト新型コロナ時代に東アジアという一強に集中する可能性がある。東アジアも感染症の大きな影響を受けたが、秀でた対策によりサプライチェーンが急速に回復したことは世界銀行や国際通貨基金に認められている。主なサプライチェーンの安全を確保するため、国際資本・技術・人材はサプライチェーン・バリューチェーンの肝心な部分とともに、市場の優位性と潜在力が大きく、政府と市場の連動が良好な地域に移動するとみられている。

 こうした変化に中国はどう対応していくべきだろうか。まず、中国は国内市場を主体とするダブル循環の産業チェーンとサプライチェーンを構築すべきである。自国のサプライチェーンの安全とグローバル化の維持に矛盾はなく、自力更生は外部との分断を意味するものではない。肝心な部品・設備・技術の供給が特殊な時期に拒否されるのを回避し、滞りないサプライチェーンを確保しなければならない。たとえば、IT産業のチップ・OSシステム、医療産業のカギとなる設備・新型薬品などがけん制されないよう、短所の改善が必要である。ところが、加工貿易の自動車部品・携帯電話組み立て生産ラインなどは、グローバル産業チェーンと緊密に連携してこそ成長できる。ポスト新型コロナ時代、オープンで安定かつ安全な産業チェーン・サプライチェーンは次の発展方向である。

 次に、粤港澳・長江デルタを含む国内重大産業クラスタの優位性をさらに発揮させるべきである。現在、その優位性の発揮に不十分な点があり、各クラスタがそれぞれ外国と連携していることに原因があると考えられる。例えば、世界の自動車産業チェーンが非常事態になれば、湖北省の部品生産ラインの上流の供給も下流の輸出も影響を受ける。今後は十大産業クラスタの提携を強化し、伝統産業のグレードアップと新興産業の発展を同時に促すべきである。

 そして、「中国離脱」の世論と動きに警戒すべきである。グローバル化は中国だけのものではなく、中国をライバル視し、閉鎖的・独立的・保守的・1国だけの内部循環は市場経済の規則にもその国の経済の現実にもそぐわない。今後、中国は世界に向けてさらに全面的な提案をし、グローバル化の旗を高く掲げ、世界の産業チェーン・サプライチェーンの分業細分化・協力緊密化に向けての発展を促進していくべきである。(魏建国 中国国際経済交流センター副理事長)


  「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月11日

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