街角に停まる朝食キッチンカーから香りが漂う。ネットで注文し、交通ターミナルに設置されたスマートロッカーから朝食を受け取る。1店舗で複数の店の朝食をを楽しむこともできる。上海という巨大都市では、便利な暮らしが念入りに配慮されている。温かい朝食で市民の胃袋を満たすことは、都市がいかに市民のために運営されているかを判断するテストであり、市民にとって日常生活を潤すささやかな幸せでもある。
朝食キッチンカー
熱々の煎餅菓子(中国式クレープ)、鍋貼、豆乳などの中国式の朝食から、サンドイッチ、コーヒー、牛乳などの洋式の朝食まで、すべてがこじんまりとしたキッチンカーに集まり、おいしそうな香りを漂わせる。これは昔の無許可で経営する小さな朝食屋台ではなく、上海自動車大通ビジネスカーのリニューアル版のキッチンカーである。車の長さは数メートルもあり、車体の側面が開けられ、店員が朝食を作る様子を見ることができる。開けられた車の後部にスマートロッカーが設置され、QRコードをスキャンして注文した朝食を自分で受け取ることもできる。
スマートロッカー
携帯電話で注文し、スマートロッカーで朝食を受け取り、2分以内に朝食を手にする。こうした便利な設備が上海で普及し、年内に100カ所設置される見通し。
盒小馬の担当者によると、こうした設備は人気が高く、上海に開設した第1陣の店舗は平均30平方メートルの敷地面積に24個のロッカーが設置され、注文1件あたりの所要時間はわずか130秒、1店舗あたりの朝のラッシュ時の注文は500件にも達するという。朝食のデジタル化の新たなシーンが生まれたと言える。
朝食を多店舗で共同販売
老舗店の老盛昌に入ると、店のお勧めの朝食が目に入るだけでなく、他店の目玉商品もずらりと並んでいる。老盛昌の余維明会長は、ここ2年来、店は「朝食を多店舗で共同販売」という新モデルにチャンレンジし、選択肢を増やすことで消費者の体験を向上させ、消費の粘りを引き上げ、売上高は10%も増加したと話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年8月21日