四川省涼山彝族自治州昭覚県の貧困対策移住拠点である沐恩邸コミュニティに引っ越した沙馬作葉さんの新居の周辺では8月上旬、アパレル工場・マスク工場・PVCスチール工場の建設が始まっていた。郊外には四川攀西地区で最大の農業団地もあり、広東省行きの労務輸送専用車が若者を乗せて遠方に向かって急いでいた。
北京で9月上旬に開催された「国連の持続可能な開発のための2030アジェンダと中国の貧困削減経験」オンラインセミナーで、中国は「中国の方案」を世界と共有し、各方面から注目を集めた。
中国は今年、現行の基準の下で絶対的な貧困をなくし、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の貧困削減目標を前倒しで達成する見通しだ。世界でこれほど短期間のうちにこのような貧困削減の奇跡を起こした国は他にはない。
■貧困者数が大幅に減少――
2016年から2019年までに、5000万人を超える農村部の貧困者が絶対的貧困を脱した。2016年に4.5%だった貧困率は2019年に0.6%まで低下し、地域の全体的な貧困がほぼ解消された。
■貧困者数の収入が大幅に増加――
全国貧困人口登録データによると、全国の登録貧困者1人あたり純収入は2016年の4124元から2019年の9057元に増加し、年平均増加率は30%にのぼった。貧困層の「衣食」の質的水準が顕著に向上し、「3つの保障(義務教育・基本医療・住宅保障)」の問題が全体的に解消された。
■収入構造が一段と改善、自主貧困脱却能力が着実に向上――
貧困者は主に工業や建設業、生産労働を通じて貧困脱却を実現した。労働収入の比率が年々拡大する一方で、非労働収入の比率は低下、収入増加の持続可能性が着実に向上した。