中国の「第14次五カ年計画」で、住宅を投機対象ではなく住むためのものと位置付け、賃貸と分譲の同時推進と都市ごとの施策によって不動産市場の安定かつ健全な発展を促進することが提言された。
具体的には、保障性住宅の効果的な供給増、土地譲渡収入分配メカニズムの改善、集体建設用地での賃貸住宅建設、長期賃貸住宅政策の改善、保障性賃貸住宅の供給拡大が提言された。
また、実体経済と金融、不動産の均衡発展を進め、上流と下流および生産・供給・販売のマッチングを実現するほか、農業、製造業、サービス業、エネルギー資源などの産業との協調を図る方針が示された。
同提言は、老朽居住区の改造と社区建設の強化にも言及している。都市更新行動の実施、都市のエコシステム修復、機能改善工事、都市計画・建設・管理の一体化、合理的な都市規模・人口密度・空間構造の確定、大中小都市と小城鎮の協調発展を推進。また、歴史・文化の保護、都市の風貌構築、老朽居住区改造と社区建設の強化、都市の水害防止と排水能力の増強、スポンジ都市と靭性都市(レジリエントシティ)の建設を進める。都市ガバナンスのレベルを上げ、大都市ガバナンスのリスクコントロールも強化する。
東方今典房地産集団総裁の胡長龍氏は『中国証券報』記者に対し、市場の安定した不動産業界が人と科学技術をベースに向上すれば、不動産産業化が多くのチャンスを生み出し、人を中心とする新型都市化がチャンスもたらすと話した。
貝殻研究院首席アナリストの許小楽氏は、「住宅消費の健全な発展を促進する」方針の中で「健全な発展」が重点になるとの見解を示した。都市間の移動、家庭の変化、所得の向上による住宅需要を満たすには、不動産価格の上昇幅と経済成長・個人所得のバランスを取り、内装、改築、賃貸、物件管理といった住宅サービスを発展させると共に質をさらに上げなければならないと指摘。住宅サービス分野の市場は一層大きくなり、住宅を購入する時代から住宅に住む時代へと移りつつあるとしている。