5G時代が訪れているが、建築業は依然としてデジタル化及び自動化の程度が最も低い業界の一つとなっている。その他の業界が「スマートの足し算」を急ぐなか、大規模でも優秀とは言えない建築業はまだ「レンガを運び、鉄筋を組み、コンクリートを注入し、型枠を作る」という水準に留まっている。
親の世代のように「農民工」というレッテルを貼られ、建設現場で重労働に励もうとする若者が減っている。彼らは新興産業を選びたがっており、「建設現場に入るぐらいならば宅配便を配達する」という現象が普遍的になっている。国家統計局の「2019年農民工観測調査報告書」によると、同年の中国の農民工の平均年齢は40.8歳で、前年を0.6歳上回った。うち50歳以上が全体の24%超を占めた。
全国人民代表大会代表、中国工程院院士の丁烈雲氏は「中国の建築業は数多くの世界一を樹立したが、製品の性能が低く、資源の浪費が多く、安全問題が目立ち、環境汚染が深刻で、生産性が低いといった問題にも直面している」と述べた。
建築業は変わるべき時を迎えている。デジタル化、スマート化されたビル建設方法はすでに、この伝統的な業界の持続可能な発展の必然的な選択になっている。
広東省順徳区で昨年9月、博智林製の第1陣・43台の建築ロボットが正式に「勤務開始」した。建築ロボットを軸とするマンマシン共同作業施工体制が、現場で正式に導入された。
責任者の曲強氏によると、これらの「ロボットの同僚」はいずれも優れた技を持っている。あるロボットは室内の塗装を、あるロボットは外壁の塗装を、あるロボットはビル内の清掃を担当する。またあるロボットは室内の壁材を運び、設置する。フロアタイル敷設ロボットによる施工効率は人の2倍で、施工の品質もより優れている。
曲氏の構想によると、未来の建設現場では「苦しい、疲れる、汚い、危険」な作業をすべてロボットに任せることができる。建設現場で人手が半分以上減り、建築ロボットが作業の半分を担当できるようになる。
公開された資料によると、博智林ロボット有限公司を含む建築スマート化施工設備の研究開発及び応用に大きな進展があったが、依然として初期段階にあり大規模応用にはまだ時間がかかる。デジタル化モデル転換は中国の建築業の高品質発展を促す重要な手段であり、必然的な流れだ。
北京で中国人民政治協商会議第13期全国委員会(全国政協)第4回会議に出席する全国政協委員、碧桂園会長の楊国強氏は「建築・建造プロセスをIoTやビッグデータなどの次世代情報技術と結びつけ、建築ロボット、ビルディング・インフォメーション・ モデリング(BIM)などの製品技術を導入することで、建設プロジェクトの全ライフスタイルのスマート化と情報化を実現する。建造プロセスの安全性お及び建築物の経済性・信頼性を高める」と提案した。
そのため楊氏は、建築ロボット及びスマート施工設備の研究開発と応用を強く支援するよう提案した。またBIMデジタル化技術を基礎とするインダストリアルインターネットプラットフォームの建設を急ぎ、スマート建造基準及び評価体系の構築及び改善を検討するよう提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年3月8日