エジプトのスエズ運河管理局は29日、運河で座礁していたコンテナ船の運航が完全に正常化したことを発表した。今回のコンテナ船「救出」活動では、なんと新たな「ネットの人気者」が登場した。それはこの写真に写っている小さな掘削機だ。河岸で座礁船の周囲の土砂を取り除く作業に全力を挙げるこの小さな掘削機は、巨大なコンテナ船と明らかなコントラストをなしている。
掘削機が力強く働く様子が、メディアによって世界中に伝えられ、それを見た人の心の中にさまざまな思いがわき上がった。ネットユーザーからは掘削機への励ましが次々に寄せられ、ネットではコメントが飛び交った。
「巨大なコンテナ船の前で小さなアリのように見える掘削機は、仕事と生活の大変さを前にして力不足の自分のようだ。弱々しくて小さく、哀れで、孤立無援だ」と発信したネットユーザーがいる。しかし一方で、「欧州・アジア航路のすべての船舶が、この目立たない掘削機が一刻も早く砂の除去作業を終わらせ、座礁した船舶を離礁させるのを今か今かと見守った。いくら小さくて弱くても、重要な役割を果たせる場面があるのだ」という声もあった。
またネットユーザーの中には、「投資に失敗したら、この小さな掘削機のことを考えてほしい。これが1時間作業を停止すると、世界中で数億ドル(1ドルは約110.6円)の損失が出る」とユーモラスに語る人もいた。
掘削機の操縦者も今回の出来事でかなりの注目を集め、SNSでアカウントを開設。その名も「スエズ運河の掘削者」となっている。プロフィールの中で、「最大限の努力をするが、保証はできない」との「格言」を披露している。
土砂を取り除く作業が行われている間、掘削機の操縦者はリアルタイムでネットユーザーに進展状況を報告し、大勢のフォロワーを獲得した。
操縦者は土砂を取り除く作業について、「この感覚がわかるだろうか。絶えず舌を動かして、歯の間にはさまった食べ物のカスを探しているような感じだ」というコメントを発信。さらにはネット上で「賃上げ要求」までしており、ネットユーザーからは「いいね」が続々と寄せられた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月31日