露メディア『ロシア・トゥデイ』は3月27日、「『我々も同様の構想を持つべ き』と語るバイデン氏は中国を真似てどのような提案をするのか」というタイトルの記事を掲載した。同記事は、中国の「一帯一路」構想が多くの国から歓迎される中、米国が同構想をめぐる西側諸国と中国の協力を阻止しようとしているが、それは難しいだろうとの見解を示している。
米バイデン大統領は先ごろ、英ジョンソン首相と行った電話会談で、米政府が「民主主義国」と共同で中国の「一帯一路」構想と同じようなプロジェクトの立ち上げを検討していることを明らかにした。バイデン氏はメディアに対し、「『民主主義国』のリソースを世界で本当に必要とされる地域へ投資・援助できる実質的に同じような構想を持つべきだ」と話した。
モスクワ大学傘下にあるフランクリン・ルーズベルト米国研究基金会主任のユーリ・ログリャフ氏は取材に対し、「米国が中国と真に競争できる枠組みを構築し、経済拡張を阻止できるとは限らない。米国の努力は手遅れだろう」と答えた。
同氏はバイデン政権が地域同盟の確立を狙っていると推測。「米国はニュージーランド、オーストラリア、日本、韓国、カナダ、英国を同盟に引き込んで経済と貿易の大規模な対抗を試みている。しかし、米国が中国のやり方を真似できるとは限らない」としている。
ロシア国立研究大学経済高等学院シニアリサーチャーのワシリ・カーシェン氏も同様の見方を示す。同氏は、米国が本当に中国の「一帯一路」構想に似た取り組みを始めるなら、既存の基盤をベースに構想を立ち上げると分析。「米国は中国と異なる優位性を持っている。中国は貿易と工業投資を重視しているため、世界の大部分の地域にとって主要な貿易相手国となっている。一方の米国は技術と金融インフラのマネジメントに強みがあり、バイデン氏は何らかの異なるアイデアを打ち出すかもしれない」と解説した。