米連邦準備制度理事会(FRB)が9日に発表した半期金融政策報告によると、新型コロナウイルス流行による労働力不足とサプライチェーン問題は米国経済の回復を妨げ、インフレ圧力が高まっている。
報告によると、米国の労働参与率の増加は減速し、昨年2月の水準を下回っている。退職者の激増、育児ストレスの増加、コロナへの不安などが原因とみられる。また、失業救済福利のカバー範囲の拡大、時間の延長、限度額の増加などが退職者増加につながった。FRBは、コロナ流行は米国の労働力市場の構造に長期的な変化をもたらす可能性があるとみている。
報告は、米国の製造業はサプライチェーン問題に直面すると同時に、米国経済の回復を妨げていると指摘した。まず、コロナ流行による工場の操業を停止は、滞貨や在庫不足をもたらした。また、港の貨物取扱能力と受け入れ能力に限界があり、メーカーは輸入原材料を迅速に調達することができない。これらの要因により、メーカーは経済再起動というニーズを満たすための生産拡大ができないでいる。今後、サプライチェーン問題がいつ解決できるかもわからない。
FRBの報告は、サプライチェーン問題と供給不足は価格圧力の増加をもたらし、米国経済が直面するインフレ圧力は予想以上に長期化するとした。ただ、長期インフレ期待は2020年末から上昇し続けているが、FRBが設定したインフレ目標2%とまだ同じ水準にある。
米労働省が発表した最新データによると、6月の米国の失業率は前期比5.9%上昇、労働参与率は横ばいで61.6%を維持し、昨年2月より1.7ポイント低下した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月24日