気候変動対策を重視する中国は、政府が掲げる2030年までの二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトと2060年までの炭素中立(カーボンニュートラル)の二つの脱炭素目標達成を目指している。
先ごろ開かれたサービス貿易の国際博覧会「2021年中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS、服貿会)」では、二つの脱炭素目標をテーマに「中国炭素中立発展フォーラム」や「グリーン発展国際サミットフォーラム」、「炭素中立経済発展フォーラム」など、10件以上の関連イベントが開催された。
フォーラムでは、脱炭素目標の達成や、省エネ・排出削減におけるサービス貿易の役割の強化、グリーン発展と環境にやさしい生活様式の確立、地球規模での生態文明の構築推進などについて活発な意見交換が行われた。
国連環境計画(UNEP)の中国代表、涂瑞和氏は、人類の持続可能な発展プロセスは、地球規模で3つの大きな環境危機に直面していると指摘。一つ目は気候変動で、二つ目は生態系の劣化と生物多様性の喪失、そして三つ目は汚染と廃棄物であり、この三つの危機は相互に関わり合っているとして、次のように語った。
「短期的にも長期的にも、環境にやさしい低炭素型の成長に転換することは、経済的、社会的、生態学的に最大の利益をもたらすものであり、コロナ後の経済を復興させ、三つの危機に対処するための最良の戦略となるだろう」
世界銀行中国局のチーフエコノミスト、セバスチャン・エッカート氏は、中国政府の掲げる二つの脱炭素目標は国際社会から高く評価されており、気候変動問題に関するパリ協定を実施する上で大きな意義があると語った。