「2021年世界製造業大会(WMC)」がこのほど合肥市で開催された。同大会で同時開催された「新エネルギー自動車産業発展フォーラム」では多くの専門家が、新エネルギー車産業は産業チェーン全体の技術進歩と省エネ・排ガス削減を加速し、市場化のペースを速めることで「双炭(炭素排出ピークアウトとカーボンニュートラル)」の目標達成に貢献すべきとの見解を示した。
中国工業経済聯合会の李毅中会長は、当面はガソリン車の省エネ水準向上と燃料消費の減少が自動車業界の炭素排出削減にとって重要なポイントになるとの見解を示した。中長期的には新エネルギー車の開発に注力し、乗用車では純電動自動車の開発、商用車では水素燃料電池車への移行が必要になると指摘。ライフサイクルの観点からは、使用に加えて製造、廃車、リサイクルという各プロセスの炭素排出削減にも注意を払わなければならないと話した。また、インテリジェントコネクテッドビークル(ICV)の発展も、自動車産業が省エネや・排出ガス削減を実現する一助になるとしている。
中国経済情報社の党委書記・董事長・総裁を務める徐玉長氏は、中国が気候変動への対応、グリーン(緑色)開発の推進、炭素排出ピークアウトとカーボンニュートラルの目標を達成するため、新エネルギー車の開発を重要な措置にしていると話した。中央政府が最近発表した「双炭トップダウン設計文書」では、新エネルギー車に代表されるグリーン・低炭素産業の発展を加速させることが、産業の構造調整を進める大きな手掛かりになると強調された。
中国は自動車産業の省エネ・排出削減に比較的早く着手し、長い時間を経て一定の成果をあげている。「第13次5カ年計画(十三五)」期間に新エネルギー車の市場化が進むと共にイノベーションも拡大し、バッテリー充電・交換インフラも整備されてきた。中国自動車工業協会(CAAM)によると、2020年時点で中国の新エネルギー車生産台数、販売台数、保有台数は6年連続で世界トップとなり、今年第3四半期には保有台数が678万台に上った。現在、「双炭」目標に沿って中国の新エネルギー車産業は新たな発展段階に入っている。