ドル指数の連日の上昇から影響を受け、ユーロ、円、ポンド、豪ドルなどの通貨安が続き、年内最安を記録している。その一方で人民元レートは非常に堅調だ。これは中国の外為市場が全体的に安定しており、複雑で変化の激しい国内外の情勢を前にして高い強靭性を示していることの現れだ。
中国の債券市場の持続的な開放拡大に伴い、人民元建て債券が近年次々と国際主要債券指数に組み入れられている。さらに人民元建て債券のプラスの収益により、外資が持つ人民元建て債券が持続的に増加している。中央結算公司のデータによると、外資は今年1月末まで38カ月連続で人民元建て債券を買い増ししている。今年2月になると一部の外資が人民元建て債券の売り越しに入り、一部の市場関係者から懸念された。
銀行の両替業務は今年1−5月に792億ドルの黒字を維持した。特に企業や個人などの非銀行部門の越境資金純流入は862億ドルで、うち4月と5月はいずれも100億ドルを上回った。
貿易や投資などの実体経済関連の越境資金が安定的に流入し、外為市場安定の基礎的な効果を発揮した。中国の物品貿易は現在、成長の流れを維持している。この背景により、1−5月の物品貿易項目下の越境資金純流入は前年同期比66%増の2144億ドルとなった。同時に外商直接投資が好況の流れを保っている。商務部の統計によると、1−5月の非金融部門外資純流入は前年同期比23%増の878億ドルで、国内経済発展の将来性と市場の潜在力の中長期資本への魅力を示した。
今回の外資による域内人民元建て資産の売り越しは、中国の開放拡大とリスク対応の同時進行にとっての試験と見ることができる。これは中国の金融市場体制の強靭性を調べた。一部の外資による人民元建て債券の売り越しは、主に中国と米国の経済周期及び金融政策の二極化によるものだ。中米の金利差が急激に縮み、さらには逆転し、米国債の魅力が上がった。証券投資項目下の越境資金純流出は4カ月の累計で1000億ドルを超えたが、中国の債券・外為・株式市場への衝撃は限定的だった。これは大型開放経済体が外部の衝撃・リスクに対応する上での経済・市場規模の優位性を十分に示した。
金融市場の高水準の対外開放はまた、外資の人民元建て資産を中長期的に保有する自信を深める。中国は金融市場の高水準の対外開放を持続的に推進し、債券市場の法治化・国際化建設を絶えず強化しており、海外投資家に向け安定的な投資環境を構築する。同時に人民元国際化が着実に進んでいる。国際通貨基金(IMF)は今年5月、特別引き出し権(SDR)の通貨バスケットの構成比のうち人民元を12.28%に引き上げた。中国の債券は徐々にFTSE世界国債インデックスに組み入れられている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年7月18日