毎年5−10月は三江源地区の牧草の成長と生態回復の絶好のシーズンで、気象部門はこの時期に人工降雨を行う。EOS/MODIS衛星のリモートセンシングによると、青海湖の昨年の豊水期の面積は4637.6平方キロメートルで、過去10年で最大となった。
中国気象局気象人工干渉センターの李集明副主任によると、現在の人工降雨は肉眼ではなく「天眼」(ラジオゾンデ、地球静止衛星、極軌道衛星など)を使用するという。「風雲気象衛星が大きな力を発揮する。さらに地上の5万超の自動ステーション、全国206基の気象レーダーが立体的・全天候型観測を行い、最終的に作業に適した目標雲を正確に特定する」
李氏はさらに、「しかも現在の降雨作業機には粒子検出システムが搭載されている。これらのハイテク検出技術を利用することで、雲の中の水蒸気、雲滴、水滴などの変化を動的に把握し、三江源地区に正確に恵みの雨を降らせることができる」と述べた。
チベット族の尕藏才譲さんは、「近年は雨が増え砂嵐が減り、水と草が徐々に回復している。砂嵐が余りにもひどかったため、以前は冬になると午後はほとんど外出できなかった。現在は冬はいつでも外に出られるようになった」と述べた。
かつて黄河の流れが止まることで発電停止を余儀なくされた瑪多黄河源水力発電所も、正常に運行できるようになった。黄河源頭で最大の2つの湖である鄂陵湖と扎陵湖の水位が大幅に上がり、かつて消滅していた大小の湖沼が蘇った。黄河源頭は「千湖」の景観を取り戻した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年9月20日