企業のエネルギーコストを引き下げるため、イタリア中部のセラミック工場の労働者は、作業時間をエネルギー価格が割安な早朝に調整した。子供がまだぐっすり眠っているころ、両親が仕事のため家を出る。これは欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長が語る、欧州人のエネルギー危機対応の「模範ケース」であり、欧州人の苦しい実情でもある。
フランスのル・メール経済・財務相は、今回のエネルギー危機は70年代の第一次オイルショックに相当すると述べた。オルバーン氏は、欧州は大規模なエネルギー危機により「徐々に出血し、死に瀕している」と述べた。
苦境に対応するため、欧州各国は補助・減税政策及びエネルギー価格制限などの一連の措置を打ち出しているが、欧州の無事な冬越しを保証できていない。
欧州の天然ガス価格はピーク時に、新型コロナのパンデミック前の10倍以上にのぼった。最近やや下がっているものの、過去の平均水準をはるかに上回っている。この影響を受け、住民の購買力が大幅に低下し、消費者マインドが過去と比べても低い水準になっている。コスト激増により工業の産出が減少している。欧州経済がスタグフレーションに陥る懸念がかつてないほど深刻だ。
独貿易会社の研究報告書によると、欧州のエネルギー集約型企業が深刻な損失を被っている。エネルギー危機がエスカレートすれば、欧州企業の破産率は来年25%にのぼる恐れがある。
また欧州各国のエネルギー構造には大きな差があり、需要も異なる。危機に直面し最初に自国の事情を顧みるならば、EU内部の食い違いを引き起こす。エネルギー危機に対応する共同の措置が決まっていない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年11月14日