14日付英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、「米国の銀行の株が投げ売りされている。米政府が銀行の預金を保護すると約束したが、金融関連株は月曜日に軒並み下落した。本部をサンフランシスコに置く第一共和銀行の株価の下げ幅が最大で、時価総額が1日で90億ドル超蒸発した。国際格付機関・ムーディーズは13日、シグネチャー・バンクの債務格付けをジャンクに引き下げ、同時にその他の米国の6銀行の格付けの引き下げを検討している」と伝えた。14日付米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「ウォール街の恐怖指数は過去5カ月で最高の水準に上がった。投資家は国債と金の購入に走り、リスク回避の兆しを示している」と伝えた。

　バイデン米大統領は月曜日に、同銀行の預金者と零細企業は保護され、最終的に補償を受けることになると約束した。バイデン氏はさらに、損失は納税者ではなく、すべて米連邦預金保険公社（FDIC）によって肩代わりされると約束した。米財務省、米連邦準備制度理事会（FRB）、FDICは12日、シリコンバレー銀行（SVB）の預金者を「保護」するための行動を発表し、すべての預金者が13日よりすべての預金を引き出せるようにするとした。米財務省はさらに、新たな銀行融資計画を支えるため250億ドルの資金を提供し、主に中小銀行のキャッシュフローの危機を和らげることを約束した。

　輝かしいビジョンに見えるが、実益は乏しい。「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、バイデン氏は保険補償計画を発表し、保険加入者の権益を保障するとし、さらに未加入の預金者も守ると約束したが、「これがどれほど厖大な額になるかバイデン氏本人は自覚さえしていない」という。

　ボストンのテレビ局「WCVB-TV」の13日の報道によると、バイデン氏は国民の恐怖を和らげようと試みているが、マサチューセッツ州のSVBの預金者は支店からの引き出しを急いでいる。SVBパロアルト支店では、朝早くから預金を引き出そうとする人で長蛇の列ができた。オンラインで送金手続きを行う際に、アクセスが集中し麻痺状態になった。FIDCの職員は、「SVBは午後3時に受理を停止し、多くの預金者が当日中に引き出せなかった」と述べた。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年3月15日