04年のプロジェクト立ち上げから今年完成した、投資総額4億9000万元の中国初の自動車用風洞実験施設「上海路面交通機関風洞センター」が上海同済大学の嘉定キャンパスに落成した。公共性のある自動車と軌道車両の核心技術プラットフォームとして、中国の自動車と軌道車両、とりわけ新エネルギー自動車の自主開発に重要な基礎サービスを提供する。「科技時報」が20日伝えた。
同済大学構内に風洞センターは、上海市重大産業科技プロジェクトの一環として設立。同センターには国内初の自動車騒音音響学用の風洞施設や国内初の熱環境下に設置した自動車用風洞施設のほか、自動車のデザイン・加工・設備保全・科学研究・管理が一体となった多機能センターも設置されている。
同センターの楊志剛主任によると、同済大学・上海路面交通機関風洞センターは騒音コントロール、路面シミュレーション、空気動力測定の精度、環境シミュレーションなどの核心技術指標をとっても世界先端の水準にあり、しかもすべてが独自の知的財産権をもつものだという。背景騒音例にあげると、時速160キロの情況下で同済大学の風洞施設は61デシベルの騒音しかなく、同サイズの施設で世界最高とされてきた65デシベルよりも騒音がさらに4デシベル下回る。このほかにも熱環境下に設置した風洞で、境界層の吸い込みを利用した新型システムを採用し、風洞施設を通じた自動車の熱環境実験のほかに、自動車シミュレーション実験を可能にした。このシステムは国外にはまだなく、国内でも唯一のものとされる。
「私たちの風洞の総合水準は世界一で、とりあえず3年間は誰もこれを超えることはできないだろう」と風洞プロジェクトの陣頭指揮をとる陳小龍教授は誇らしげに語った。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年9月22日