陝西省の西安では10日、秦の始皇帝の兵馬俑発見35周年と兵馬俑博物館開館30周年の記念大会が開催され、記念活動の一環として「始皇帝陵出土文化財の精華」の展覧会も始まった。兵馬俑博物館はこの30年間に、6000万人の来場者と170人余りの各国の元首や政府首脳を迎えた。
矢じりが刺さって亡くなった王子
116点の展示品の中で多くの人の注目を集めたのが、矢じりが刺さった跡のある頭蓋骨だ。兵馬俑博物館の研究者である王芸氏によると、この頭蓋骨は陵墓の外側の城郭にあたる上焦村から出土したもので、上焦村では合わせて17基の陪葬墓が発見されたという。それらは全て始皇帝の王子や皇女の陵墓で、この世を去った年はわずか10代から20代だった。
王芸氏は、これらの陵墓は第2代の皇帝である胡亥が皇位を継いだあと、兄弟たちを斬首し射殺して全て殺してしまったという歴史を裏付けるものだと話す。
この始皇帝の王子とされる頭蓋骨は、下あごの骨が前に突き出し、非常に恐ろしく苦痛な表情が現れており、恐らく遊んでいる時に急に矢で射殺されたのではないかと推測されている。
現在の技術では、頭蓋骨をもとに王子の当時の顔を復元することができる。王子の顔はどこか必ず始皇帝と似ていることだろうから、始皇帝の顔立ちをなぞらえることも可能だろう。