身分がはっきりしない「袖手俑」
高い帽子をかぶり、腰にナイフや砥石を下げた立ち姿の俑がK0006号坑から8体出土した。この俑は、何か皇帝の命令があれば竹簡を取り出して記録し、もし書き間違えればその部分をナイフで削り、またその上から書くのが役割だった。
これらの俑はほかの「軍隊俑」とは違うため、今まで「文官俑」と呼ばれてきた。しかしK0006号坑にはこの俑以外にも御者や馬、馬車、銅の鉞が出土しており、「文官」であるかどうかはまだはっきりしていない。そのため今回の展覧会では、手を袖の中に入れる姿から「袖手俑」と名づけられた。