四川大地震の断裂帯に関する科学的調査(WFSD)プロジェクトの首席科学者である許志琴氏(中国科学院院士)はこのほど、プロジェクトの進展ぶりと成果を発表する報告会で、同プロジェクトが次の5つの重要な成果を上げたことを明らかにした。「科技日報」が1日伝えた。
(1)四川大地震の主要な断裂帯の地下にある巨大で厚い主断面を発見した。
(2)四川大地震により形成された最新の泥流の断層を確定した。
(3)四川大地震発生前の古い地震帯約20本を発見し、整理・確定した。
(4)地下の流体の異常と余震との関係を探求した。
(5)新たな調査の成果に基づき、竜門山の構造に関する新たな仮説モデルが打ち出された。
同プロジェクトは2008年5月12日の地震発生から158日後にスタートした国家プロジェクトで、地震発生のメカニズムを解明し、余震情報を確実にとらえ、地震のモニタリング・警戒能力を高めることを目的に、国土資源部、中国地震局、中国科学院、教育部などの複数部門が共同で進めてきたもの。
国土資源部の汪民副部長によると、同プロジェクトは今年、重要な段階にさしかかる予定で、研究により多くのパワーを投入し、取り組みを強化することが必要だ。また、余震と地下の流体の異常や地耐力の変化との相互関係についての研究を重視し、余震のモニタリングを強化し、世界の地震地質研究の最前線に立たなくてはならない。プロジェクトを担当する各部門は調査の技術的問題の解決に力を注ぎ、調査や作業のペースを加速する必要がある。(編集KS)
「人民網日本語版」2010年4月1日