中国有人宇宙プロジェクトの報道官、有人宇宙プロジェクト弁公室副主任の武平氏はこのほど、「ドッキング目標機・天宮1号の設計上の寿命は2年間で、現在すでに寿命の最終段階に入っている。宇宙飛行士の滞在、特に有酸素環境下で約1年間密閉されたことで、微生物の存在が船内環境に変化をもたらした可能性がある。天宮1号が寿命期間内に任務を完了できるようにするため、研究開発段階ですでに余裕ある設計と製品寿命の試験を考慮していた。約2年間の軌道上の監視、および科学的な管理により、天宮1号のすべての設備は正常に作動している。また微生物の抑制、有害気体の抑制についても措置を講じた」と表明した。北京青年報が伝えた。
中国は天宮1号に対して、3つの措置を講じた。(1)宇宙ゴミのモニタリングと予警報。(2)天宮1号の防護・回避措置。(3)天宮1号の寿命最終段階に自ら軌道を離れ、指定された海域に落ちる。
◆天宮シリーズのその他のメンバー
・天宮2号:予備機を任務遂行用に改造
天宮2号は天宮1号の予備機で、直径は3.5メートル、質量は約8.5トンに達する。神舟9号と天宮1号のドッキング後、天宮2号は予備機である必要がなくなり、任務を調整し適応性改造を行い、宇宙実験室の任務を遂行できるようにした。こうすることで、1隻の宇宙船を節約できる。
天宮1号と比べ、天宮2号は新たな任務に対して技術的な適応性改造(構造・機能上の改造を含む)を行った。船外活動およびドッキング任務の終了後、補給と再生式生命維持技術の難関突破が、議事日程にあげられた。中国は天宮2号に推進剤の補給を行い、天宮2号にかつてなかった推進剤補給システムが追加される。推進剤補給は、航空機の空中給油と同様、補給用の宇宙船を使い推進剤を宇宙に運び、その後さらに自動システムを用い、推進剤を天宮2号に移す。
・天宮3号:補給船とドッキング
天宮3号は天宮1号をベースに改造されたもので、体積・重量が天宮2号を上回る。直径は5メートル、重量は約13トンに達し、積載能力は5.5トン未満となる。その積載能力はロシアのプログレス補給船の2倍に達するが、日本のHTVや欧州のATVをやや下回る。
天宮3号の打ち上げには新型ロケットが必要だ。天宮3号は、再生式生命維持最重要技術の試験、宇宙飛行士の中期的な軌道上の滞在、補給船の軌道上の試験などの任務を遂行し、さらに一部の宇宙科学・宇宙医学の試験を実施する。
天宮3号は二つのドッキング装置を搭載する可能性が高く、軌道上を飛行中に2隻の神舟と1隻の補給船とドッキングすることになる。補給船は補給を行い、さらに天宮3号を軌道に乗せる。
計画によると、中国は2015年までに天宮2号・天宮3号を打ち上げる予定だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年6月15日