今年の中秋節や国慶節の時期、漢服(漢民族の伝統的な民族服)を美しく着こなした若い女性たちが、街の商業施設や観光スポット、大学キャンパスなどで、ますます見られるようになった。古からの伝統文化が、中国の祝日に花を添えている。
この数年、都市に住む若者の間で漢服文化が流行している。漢服の消費者は200万人以上、産業規模は10.9億元に達するという概算がある。
ファッションになった漢服
大学キャンパスや観光地、繁華街などではいま、仕立てのいい漢服を身に付け、伝統的な髪型にする若い女性たちが目立つ。SNSで漢服の話題がホットトピックになってから久しい。大手動画サイトでも、漢服をテーマにした短い動画が人気になっている。「ビリビリ動画」では漢服をテーマにした動画が100万件を超える。
広東省伝統文化促進会漢服文化委員会の汪家文会長は、「2017年に世界の漢服文化組織はおよそ1300組織だったが、2019年には2000組織以上と、2年のうちに46%増加した。ある調査によると、中国漢服市場における消費者は200万人以上、市場規模は10.9億元に膨らんでいる」と述べる。
漢服は、数千年にわたって漢民族が身に付けてきた伝統衣装であり、染織などの傑出した手工芸および美学がそこに込められている。加えて伝統文化と民族精神を受け継ぐものでもあり、中華民族の美意識や風俗習慣の表現の一つである。
古い文化の受容が市民の間で深まるにつれ、漢服の持つ独自の魅力が多くの人を惹きつけている。貴重な漢服を手に入れ、コレクションにする人も少なくない。なかには日常的に漢服を着る愛好者もいる。