漢服ブームがおこった背景
街中で漢服を着る若者が増え、人々にその美しさを伝えるようになったのには、様々な背景がある。
まずSNSグループの“同袍”が、漢服文化の発展を後押ししていることが挙げられる。漢服愛好者の多くが、“同袍”を通じて見知らぬ人と友だちになっている。“同袍”とは、漢服愛好者が“同志”を指す際の呼称である。ある漢服愛好者サイトでは、大量の漢服愛好者が自分の情報を発表している。そして共通の趣味を持つ人と友だちになったり、一緒に漢服を着て街に繰り出したりしている。
かつて中国人民大学の漢服サークルの部長だった曽運琪さんは、「漢服文化に出会ったことで、より広い視野を獲得できただけでなく、同好の士たちとも出会うことができた」と述べる。「私たちは、琴や茶のサークルの人たちと一緒に茶芸をしたり、春の野遊びをしたり、謎かけをしたりしました。その過程で、たくさんの友だちができました」。
次に、各大学の漢服サークルも漢服文化の発展を後押ししている。曽運琪さんによると、中国人民大学の漢服サークルは毎年、成人式や中秋節、国際文化祭、学園祭の時期に漢服の大型イベントを行っている。それ以外にも、手作り装飾品の制作活動を行っている。