北京市豊台区にある漢服体験館に入ってまず目に映るのが、伝統的なインテリアと木製の屏風、隅に置かれたろうそく台、漢唐時代にタイムスリップしたかのような華麗な漢服だ。店内は大きく2カ所に分かれ、1つは数十着の美しい漢服が並べられている。もう1つには、様々な古い風景のセットがある撮影スタジオで、写真撮影ができるようになっている。
この体験館のオーナーである李納さんは、「店内にある漢服は様々で、数百元から数千元のものまで揃っています。服のレンタルと髪直しのセットで368元。オプションで写真撮影サービスもあります。ビギナーの漢服愛好者がここで漢服をレンタルして、近所の大観園で撮影することが多いですね。このスタジオで写真撮影するマニアな漢服愛好者も多いです」と話す。
漢服に注目する人が多くなったことについて業界筋は、経済効果以外に文化的意義も挙げる。中国の若い世代が、自分の文化に自信を持ってきたことの表れと言えるからだ。
李納さんは、「韓国の景福宮や日本の京都に行きました。そこにはとても専門的な伝統衣装のレンタルショップがありました。当時私は、中国の漢服だってとても美しいのに、どうして北京には1軒もレンタル漢服ショップがないのだろうと思いました。正確な漢服知識をみんなに伝えることは、中国文化愛好者共通の願いです。漢服にはもっと大きな可能性があるんです。近い将来、漢服文化がより多くの人に注目され、認められ、誰もが自分の好きな漢服を持つようになるだけでなく、その背景の文化的知識を理解するようになってほしいと思います」と述べる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年10月13日