この遺跡は、上海市普陀区の志丹路と延長西路が交わるところにある。水門の総面積は1500㎡で、水門の開閉扉、壁、底石、胴突きなどの部分から構成されている。
出土文物と文献の記録をあわせて考えれば、志丹苑水門遺跡は元代に建造されたものであると確定できる。今を去ること700年の歴史をもち、すでに発見された同類の遺跡の中にあって、規模は最大、造りは最も精巧で、保存状態も最も優れた所である。中国の水利工事の発展史上、極めて重要な地位を占めているといえる。
中国考古学会の徐蘋芳理事長のコメント:
これは年代的に見ても非常に標準的な水門であり、これまでこのような遺跡はあまり発見されていなかった。この遺跡は宋、元の時代の呉淞江の旧河床につくられていたもので、上海ではその頃から、水利施設が重視されていたことを示している。そのほか、その建築様式は完全に宋の時代の『営造法式』の要求と一致したものである。この発掘は、宋・元の時期の長江以南地区の水利施設、この流域の歴史変遷の研究のうえで重要な学術的価値がある。
「チャイナネット」2007年4月